生前対策と法改正のリスク

生前対策と法改正のリスク

相続における生前対策の検討は、お元気な時から始めるのが理想であることは言うまでもありません。先送りすればするほど出来る対策手段が狭まってしまうのは間違いのないところですね。
反面、当たり前のことですが、相続はいつ開始されるか誰にもわからないものだと言えます。極端な言い方をしてしまうと1カ月後に起きてしまうかもしれないし、20年後になるかもしれません。そして、法改正についても将来どのような改正があるかなど確実なことは誰にもわからないものです。
一つ、生命保険についての例を上げてみます。生命保険の活用は節税対策・納税資金の確保・遺産分割代償金対策などにおいて非常に有効なものですが、相続人が受け取る保険金には非課税枠があることをご存知の方も多いと思います。現状では「500万円×法定相続人の数」までは相続税がかからないというものです。法定相続人が4人いれば2000万円までです。大きな節税効果があるわけですが、この規定がいつ起こるかわからない相続が開始されるときまで維持されるかどうかは疑問符がつくところです。実際に民主党政権時代の平成23年度税制改正ではこの非課税枠についての改正が以下のように決定されていたのです。
※法定相続人に含まれる者の対象を
①未成年者 ②しょうがい者 ③相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限定する。
これは相当厳しい要件で、かなりの方々の対策が無意味に近いものになるところだったと思います。しかし結局この改正は自民党政権による平成25年度税制改正によって見送られることになり、事なきを得ましたが・・。
このように法律が変わってしまえば、せっかくの相続対策が無意味なものになってしまうリスクもやはり多少なりともあるわけです。こればかりはどうしようもないことですが・・。
だからと言って対策の検討を先送りするのは本末転倒です。改正があればその都度対処するしかないわけで、現状で考えられる最善の手を打っておくことが大切だと思います。ケース・バイ・ケースですが一つの対策に偏ることなくバランスを考えて。

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