戸籍の豆知識

戸籍の豆知識

前回のコラムでは古い戸籍が滅失している場合などについて書いてみました。ついでと言っては何ですが、その流れで戸籍のしくみについて、相続とはまた別の角度から少し取り上げてみたいと思います。
今日取り上げるのは「バツイチ」という言葉。離婚歴がある場合に今では普通に使っていますよね。誰にでも通じる言葉です。ご存知の方も多いかもしれませんが、この「バツイチ」という言葉の由来はどうも戸籍の記載法にあるらしいのです。電子化される前の戸籍では出ていった人の名前の上に×印がひかれます。これは離婚に限ったことではないのですが・・。
とにかく筆頭者が男性であれば離婚により妻がその戸籍から出ていくことになり、その名前の上に×印が一つ付くことになります。その後、再婚すればその戸籍の次の空欄に再婚した妻の名前が書かれるわけです。そして、もしもまた離婚をすれば同じように二つめの×印がひかれるので、「バツニ」ということなのでしょう。
ただし、現在の電子化された戸籍においては×印がひかれることはありません。「除籍」と記載されるだけになっています。やはり、名前に×印がひかれるのはあまり気持ちのいいものではないですよね。一目でもう除籍されているとわかりやすい面はありますが・・。
ここで豆知識として、上記のように筆頭者は離婚をしても戸籍が変わるわけではありませんから、婚姻歴も離婚歴も転籍等で新戸籍を作らない限りは延々と残ることになります。しかし、例えば戸籍から出ていった妻が一旦は親元に復籍して、その後、分籍届を出して自身を筆頭者とする新戸籍を作ったとすると、離婚歴どころか結婚した事実も消えてしまうのですね。新しく作る戸籍に移記しなければならない事項に「離婚」は入っていないのです。ですからその戸籍を見ただけでは離婚歴などはまったくわからないのです。確認したい場合は遡って古い戸籍も確認する必要があるわけです。
相続人を確定するために被相続人の戸籍を出生まで遡るのも理屈は同じことです。新戸籍にはその前に除籍となった子供も移記されてきませんから。

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