着実に増加している公正証書遺言

着実に増加している公正証書遺言

日本公証人連合会の統計によると、昨年の公正証書遺言の作成件数がついに10万件を超え、104,490件を数えたとの事です。
平成7年の段階では46,301件というデータなので、そこから倍増以上になったということになりますね。その背景にとしては、前回のコラムにも書いたように旧民法時代は家督相続であり、「家の承継」を中心とした考え方から原則的に長子相続だったわけです。
戦後になってそれらが改正された後も、本当に長年にわたり、それこそ戦国の世からずーっと続いたきた長男(とは限らないかもしれません)が跡取りであるというこの意識や風潮はかなりの間残っていたものと思われます。(現在でもあるでしょう)
ですから改正後もしばらくは遺言書を作成するということ自体、ごく一部の方に限られていたのではないでしょうか。
しかし、民主主義の浸透や核家族化などの社会情勢の変化と共に、遺産相続の考え方も「家の承継」という側面が薄れ、次第に「個人」への遺産の公平な分配という意識が強くなり、各相続人が自己の権利を積極的に主張するようになってきています。法律がそう変ったのだから当然のことではあるのですが・・。不況などの時代背景もありますし・・。
その結果、遺産の分配をめぐって遺産分割協議がまとまらず、家庭裁判所にまで持ち込まれる・・。このようなケースもまた確実に増えているのです。その後の家族関係はどうなるか・・。絶対に避けたいことです。そして、高い確率で事前に防ぐことが可能なものです。
そのための公正証書遺言の有効性が理解され、浸透しつつあるということが、上記のデータに表れているのだと思います。それでもまだまだ少ないと思うのです。私たち専門家が、もっともっと相続への問題意識と遺言書の有効性を発信していかなければいけないと感じています。そして、安心できる遺言書作成のため、是非ご相談して頂きたいと思います。

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