相続税法上の相続人

相続税法上の相続人

同じ一つの相続の中でも、民法上の相続人と、相続税法上の相続人とが一致しない場合があります。どういうことか? 簡単に言うと、現実に遺産を相続する権利を持つ「相続人」と、相続税を計算するためにカウントされる「相続人」は必ずしも一致しないというものです。何故そのようなことが起きるのでしょうか?
まず養子がいる場合、相続税法上では養子の数が制限されています。
①被相続人に実の子供がいる場合、一人まで。
②被相続人に実の子供がいない場合、二人まで。
たとえそれ以上の養子がいたとしても、数に含めることはできません。これはもうお気づきのことだと思いますが、相続税を節税するために数多くの養子縁組を行い、不当に基礎控除額を増やすということを回避するために設けられたものです。以前はこの制限が無かったのですね。
もちろん養子は被相続人の嫡出子となるわけですから、この養子の数の制限は、あくまで税金を計算する際の制限にすぎず、実際には養子が何人いようと民法上の「相続人」であることに変わりはありません。
次に相続税法上では相続放棄があったとしても、なかったものとして考えるとされています。これも意味合い的には養子の数の制限と同じことだと思いますが、例えば第一順位の相続人である子が一人だけであって、その子が相続放棄することによって第二順位は既にいないため、第三順位の多人数である兄弟姉妹、甥姪まで移っていけば、本来一人だけとして計算されるはずだった基礎控除額は増えることになります。そのようなことから、その放棄はなかったものとして考えるとされ、相続人の変動はないものとして計算されるわけです。放棄は自由な意思で行うことができますから、順位を操作することで相続税の額を変動させるのを防ぐということでしょう。でも、まあ、わかりやすい例として書いたのですが上記のような場合、子はふつう放棄しないですよね。子がいなくて、第二順位の親が放棄することならあるかもしれませんが・・。
結果、このように実際の相続人と、相続税法上の相続人が一致しない場合もあるということなのです。

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