公正証書遺言の二重保存制度

公正証書遺言の二重保存制度

遺言が存在するかどうかは、相続開始の段階において最も重要なことですね。自筆証書遺言の場合には、信頼できる人にきちんと保管を依頼していれば別ですが、何かあるまでは誰にも知られたくない理由などで、思わぬ場所に保管し、発見されないということも考えられます。そうなると、最も優先されるべき遺言者の意思は実現されないということになってしまいます。遺産分割の後になって発見されるということも・・・。
公正証書遺言の場合には、その原本は公証役場で保管されるということが、よく知られていると思います。
そして、日本公証人連合会が運営している遺言検索システムに登録されることにより、昭和64年1月1日以降に作成されたものであれば、簡単にその遺言の存否・作成公証役場を検索することが可能になっています。その依頼は全国どこの公証役場でもできます。依頼を受けた公証役場は、日本公証人連合会に照会を依頼し、その回答内容に従い、照会者に対し公正証書遺言の有無、保管している公証役場を回答するしくみのようです。また、必要であれば謄本の交付請求をすることができますが、これは回答のあった保管先の公証役場に対して行います。
なお、この存否の照会請求・閲覧・謄本請求ができるのは、遺言者生存中は本人にしかできません。当然ですよね。遺言者の死亡後は相続人・受遺者・遺言執行者などの利害関係人が請求可能となります。
そして、もう一つ平成26年4月1日以降に作成されたものについては、通常行う原本の保管の他に、原本を電子データ化し保存するシステムが開始されました。これは東日本大震災のような大災害によって、公証役場で保管する公正証書原本が失われたような場合に備えてのものだということです。これにより万一、原本が失われることがあっても、この電子情報をプリントアウトし、情報の同一性の証明文書を付して、相続人等に交付できるようになり、公正証書遺言ではほとんどの場合に遺言内容を証明することが可能となったわけです。
公正証書遺言の信頼性がいかに高いか、おわかりになられることだと思います。

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