不動産現地調査の必要性
2015.07.27
カテゴリ：コラム
不動産現地調査の必要性
遺産分割協議書は、相続人全員による合意があったことを証明し、後日の蒸し返しやトラブル等を防ぐ意味があるのはもちろん、不動産や預貯金の名義変更など手続きの実務面からも作成が求められるものです。したがって、作成したその書面で全ての遺産の手続きが出来るものでないと、また作成し直して再度全員の印鑑をもらわなければならないことになってしまうわけですね。大変な負担になりますし、２度目の判は押さないという方が出てこないとも言えません。特に複雑な関係の場合には頼みづらいこともあるでしょう。ですから、そのようなことにならないよう、特に遺産の記載漏れには細心の注意を払うことが必要です。中でも記載漏れになりやすいものとして不動産があげられます。｢自宅の前面道路の私道持ち分が記載されていない｣、｢未登記状態の建物を記載していなかった｣など、主たる土地や建物については当然記載していても、このような細かい部分には気づかずに漏らしてしまうことが、ご自分たちで遺産分割協議書を作成する場合など結構あるのですね。専門家でも見落としてしまうことがある部分です。私道持ち分などは非常に重要な部分ですので、きちんと手続きをしておかないと後に大きな問題となる場合もあります。このような不動産の記載漏れが起きないようにするためには、権利証等の確認、市町村の資産税課などで発行してくれる名寄帳や、公図などの図面関係・登記簿謄本を収集して、しっかり現地と照合して確認することが必要です。ですから、現地へ足を運んでの調査が大切になります。もちろん、不動産の評価を行ううえでも重要なことです。お客様のために手間を惜しまずに調査を行うこと。これがきちんとした書類を作成するため、何より大切なことですね。
