遺留分減殺の順序

遺留分減殺の順序

遺留分については、このサイト内の相続の基礎知識ページでも概略を記載しています。今日は少し踏みこんだ部分で、その減殺対象となる相続財産から、どのような順序で減殺することになるのか、といったところを簡単に書いてみたいと思います。
遺留分を侵害された減殺請求権者は、複数ある対象財産の中から、自分で特定の財産を選択して減殺請求できるわけではありません。要するに自分で自由にこの財産から減殺すると決めることはできないということです。
民法では
①遺贈と贈与が存在する場合、まず遺贈を減殺した後でなければ贈与を減殺することはできない。
②複数の遺贈がある場合、遺贈の先後ではなく、遺贈の価格の割合に応じて減殺される。ただし、遺言者が別段の意思表示をしたときは、その意思に従う。
③複数の贈与がある場合、新しい贈与から減殺し、順に前の贈与に及ぶこととなる。
というように規定されています。
まず、遺贈(遺留分を侵害する相続分の指定も含む)を先に減殺し、それでもなお遺留分が満たされない場合に贈与から減殺するということになります。贈与は生前に法律効果が発生しているものですから、尊重して後順位にしようという考えですね。贈与が複数ある場合には、新しいものから順に減殺します。古いものほど先に法律効果が発生しているわけですから、取引の安全性の問題なども考慮されてのことだと思います。
そして遺贈が複数ある場合には、特定のものから減殺するのではなく、全体を価格の割合で行うことになります。ただし、遺言者が別段の意思表示をしたとき、要は遺言で減殺の順位を別段に指定しているときは、その意思に従うというものです。当然、遺言者の意思が優先されるわけですね。

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